「お祭り」と一致するもの

「お祭り」(歌詞)壽祝桜四月大歌舞伎~明治座150年~バージョン

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「お祭り」(歌詞)壽祝桜四月大歌舞伎~明治座150年~バージョン


今回は「神田祭」「申酉」のミックスバージョンです(≧▽≦)
ご観劇のお供に是非ご活用くださいませ!



一歳を今日ぞ祭に当り年 警固手古舞華やかに
飾る桟敷の毛氈も 色に出にけり酒機嫌
神田囃子も勢いよく(神田祭)

言わずと知れしお祭りの 形もすっかりそこら中
行き届かせてこぶもなく ここでは一つあそこでは
頭かしらと立てられて ご機嫌じゃのと町内の
家主方も夕日影 風もうれしく戻り道(申酉)

「セリフ」

じたい去年の山帰り 言うは今さら過ぎし秋
初の一座の連れのうち 面白そうな口あいに
好いたが因果 好かれたも こころの二つはないわいな
そのときあいつが口癖に  
諦めて何のかのと ありゃただの人
赤ぼんぶの我々なりゃこそ滅法界に迷いやす
お手が鳴るから 銚子の替わり目と あがってみたれば
お客が三人 庄屋ぽんぽん 狐拳
とぼけた色ではないかいな(申酉)

「セリフ」

祭りのなぁ 派手な若い衆が勇みに勇み
身なりを揃えて ヤレ囃せ ソレ囃せ
花山車 手古舞 警固に行列 よんやさ
男伊達じゃの やれこらさ
達引きじゃのと 言うちゃ私に困らせる

なぞとあいつが得手物の ここが木遣りの家の株(神田祭)

引けや引け引け 引くものにとりては
花に霞よ 子の日の小松 初会の盃 馴染みの煙草盆
お洒落娘の袖たもと 下場の履物
内裏女郎の召し物 座頭のまわし 菖蒲に大根
御神木のしめなわ
又も引くものは色々ござる 湯元細工の剣玉ぶりぶり
そさま故なら心の丈を 示し参らせ候べくの
人形 筆売り この首を 長く出したり縮めたり
なんとのろいじゃあろまいか(申酉)

<三味線合い方>

よいよい よんやな よいよいよんやな 
やれよい声 かけろやー(申酉)

ヤァやんれ引け引け よい声かけてエンヤラサ
やっと抱き締め床の中から 小夜着蒲団をなぐりかけ
何でもこっちを向かしゃんせ
ようい ようい よんやな
良い仲同士の恋諍いなら 痴話と口説は何でもかんでも今夜もせ
オォ東雲の明けの鐘 ごんと鳴るので仲直り済んました
ようい ようい よんやな
そよが締めかけ中網
えんや えんやこれは あれはさのえ(神田祭)



四月大歌舞伎第三部「お祭り」千穐楽を迎えました!

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こんにちは。くにえです。


本日、歌舞伎座、四月大歌舞伎第三部「お祭り」が無事千穐楽を迎えました。

 

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毎日多くのお客様のご来場頂き、私も末席にて喜びを噛み締めておりました(⌒▽⌒)
ありがとうございました。

坂東玉三郎丈の美しくも粋な芸者姿、目線は動かせませんが常に視界に入れておりました(笑)

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当月の「お祭り」の舞台。上手側から

やっぱり歌舞伎座は色々な意味で大きいな〜。

清元 國惠太夫

三社祭 プチ解説&全曲歌詞

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こんにちは。くにえです。

 

今回は清元「三社祭」のプチ解説と歌詞をお送りいたします。

 

 

この記事は6~7分ででお読みいただけます。

 

 

 

三社祭(さんじゃまつり)

 

 

解 説

 

作詞 二代目瀬川如皐  作曲 初代清元斎兵衛(清元栄治郎説有り)

初演 1832年(天保3年)3月 江戸中村座

 

本名題を「弥生の花浅草祭(やよいのはな あさくさまつり)」と言い、通称を「三社祭」と表します。

かつては登場人物より「善玉悪玉」と言っていました。

題に弥生とあるのは三社祭は元々3月に行われていたことに由来します。

 

 

本来この狂言は

上「神功皇后と武内宿禰」(常磐津)

下「善玉悪玉(三社祭)」(清元)

と分かれていて、上は山車人形として人物の登場する三社祭の場、下は宮戸川で漁をする兄弟の場です。

 

上記の通り、清元の場面は直接お祭りとは関係ない場なのですが、近年単体で上演される事が多くなり「三社祭」の通称が定着したものと考えられます。

 

登場人物は三社祭のルーツである「檜前浜成(ひのくまのはまなり)檜前竹成(ひのくまのたけなり)」の兄弟の漁師です。

※三社祭のルーツの詳しい内容は浅草観光連盟様HPをご覧ください。

 

 

ある日宮戸川(隅田川の一部)で檜前兄弟が漁をしていると空から「善玉」と「悪玉」が乗り移ってしまい、悪玉が昔の悪人たちを語るという筋です。

 

この「善玉」「悪玉」というものは、当時流行した「心学」という一種の道徳思想で、人間の善い行いも悪い行いも「玉」が憑りついて操っているという考えです。

「三社祭」は漁師兄弟が浅草観音を拾い上げた伝説と流行の心学をミックスした当時の最先端をゆくエンターテイメントだったのでしょう!

 

 

 

 

 

歌 詞

 

弥生なかばの花の雲 鐘は上野か浅草の

利生は深き宮戸川 誓ひの網のいにしえや 三社祭の氏子中

 

もれぬ誓ひや網の目に 今日の獲物も信心の

おかげお礼に朝参り 浅草寺の観世音

網の光りは夕鯵や 昼網夜網に凪もよく乗込む

河岸の相場に しけは 生貝生鯛生鰯

なまぐさばんだばさらんだ わびた世界じゃないかいな

そなた思えば七里が灘をのう 命ゃ捨て貝い来たものなしかえ戻ろうよ

捨て貝来たもの命ゃ 命ゃ捨て貝来たものなしかえ戻らうよ

サァサ何んとしょか どしょかいな

撞いてくりゃんな八幡鐘よ 可愛いお人の 人の目をさます

お人の人の可愛い 可愛いお人の 人の目をさます

サァサ何としょか どしょかいな 帰りましょ 待たしゃんせ

憎や烏が啼くいな 斯かる折から虚空より

風なまぐさく身にしむる呆れて暫し両人は 大空きっと見あぐれば

 

「善か悪かの二つの玉」

「あらはれ出でたは」

「こいつは」

「稀有だわえ」

 

あーら 不思議やな 一つ星なら長者にも ならんで出たる二ない星

あらはれ出でたる二つ玉 思ひがけなく落散る風の

ぞっと身に沁みうろたへ伏し悶絶するこそ

悪にとっては 事もおろかや 悪七別当 悪禅師

保元平治に悪源太 梶原源太は梅ケ枝を

蛭の地獄へ落したためしもありとかや

これは昔の物語

それが嫌さに気の毒さに おいらが宗旨はありがたい

弘法大師のいろはにほへと 変わる心はからくり的

北山時雨じゃないけれど 振られて帰る晩もあり それでお宿の首尾もよく

とかく浮世は儘にはならぬ 善に強きは コレ善の綱

牛に曳かれて善悪は 浮かれ拍子の一踊り

 

早い手玉や品玉の 品よく結ぶ玉襷 かけて思ひの玉櫛毛

開けて口惜しき玉手箱 かよふ玉鉾 玉松風の

もとはざざんざで唄えや唄えや うかれ烏の烏羽玉や

うややれ やれやれ そうだぞそうだぞ 声々に

しどもなや

唄うも舞うも 法の奇特に善玉は 消えて跡なく失せにけり

 

 

 

 

参考資料
清元全集 清元集 清元五十番

 

 

 

 

 

 

YouTubeチャンネル「清元pockets」にも三社祭のお手軽動画をアップしております!

 

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画像をクリックするとYouTubeサイトへゆきます!

 

 

また

「清元pockets」公式インスタグラムもございます!(≧▽≦)

是非ともフォロー、いいね、もよろしくお願いいたしますm(_ _)m

 

 

 

 

清元 國惠太夫

 

博多座「市川海老蔵特別公演」千穐楽を無事迎えました!

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こんにちは。くにえです。
 
本日、博多座「市川海老蔵特別公演」が無事千穐楽を迎えました!
 
11日より15日間、昼夜全25回の興行はほぼ満席でございました\(^o^)/
 
夜の部には質問コーナーもあり、質問内容の冒頭「〇〇から来ました」と遠方からわざわざご観劇下さるお客様もたくさんいらっしゃいました^_^
 
 
ありがとうございました!
 
 
 

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大入りを頂戴致しました! 
 


 
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昼の部「流星」です。舞台稽古の際に撮りました。
 
 
 
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こちらは夜の部「お祭り」。同じく舞台稽古時に撮影しました。
 
 
 

今回予定が合わずお越しになられなかった方、またこのご時世ですので見送られた方。
 
お越し頂いた方は思い出しながら、お越しになれなかったお客様は「流星」「お祭り」の画像で雰囲気を楽しんで頂けましたら幸いでございます。
 
 
来月は京都南座「吉例顔見世興行」に出演させて頂く予定でございます。
 
 
 
私はこれからもコロナ禍に負けず、益々励んで行きたいと思っております。
 
どうか今までと変わらぬお力添え、ご声援賜りますよう宜しくお願い致しますm(_ _)m
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
清元 國惠太夫

11月博多座 夜の部「お祭り」歌詞&プチ解説

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こんにちは。くにえです。

 

11月博多座「市川海老蔵特別公演」夜の部「お祭り」の歌詞&プチ解説を書きました。

 

※昼の部「流星」解説はこちらです。

※市川海老蔵公演の記事はこちらです。 

 

浄瑠璃を耳だけでとらえるのはなかなか難しい箇所もございます。

 

 

4~5分で読んでいただけると思います。

歌詞をサクッとお読みいただくだけで舞台をより一層楽しんで頂けると思います!

 

是非ともこちらをご活用くださいませ\( 'ω')/

 

 

「お祭り」

 

歌 詞

 

申酉の 花も盛りの暑さにも 負けぬ気性と見かけから

 

粋な稲荷を 思えばよしや ちょっと格子へ呼子鳥

想いくらべん恋の仲 勝り劣らん花の意地

 

常から主の仇な気を 

知っていながら女房になって 見たいの欲が出て

神や仏を頼まずに 義理もヘチマの革羽織

親分さんのお世話にて 渡りも付けてこれからは

世間構わず 人さんの前 はばからず引き寄せて

 

森の子がらす我はまた 尾羽をからずの羽根さえも

なぞとアイツが得て物の ここが木遣りの家の株

 

千代に八千代の御贔屓も 変わらぬ色は紫の

ゆかし面影 江戸桜 負けぬ気性は荒磯の

水を浴びたる飾り海老 

エンヤ エンヤこれは あれはさのえ

 

言わずと知れしお祭りの 形(なり)もすっかり そこら中

行き届かせてコブもなく ここでは一つ あそこでは

かしら頭と立てられて ご機嫌じゃのと町内の

家主方も夕日かげ 風もうれしく戻り道

 

じたい去年の山帰り 言うは今更 過ぎし秋

初の一座の連れのうち 面白そうな口合いに

好いたが因果 好かれたも 心に二つはないわいな

その時あいつが口癖に 諦めて何のかのと ありゃ只の人

赤凡夫の我々なりゃこそ 滅法界にまよいやす

お手が鳴るから銚子の変わり目と上がってみたれば

お客が三人 庄屋ぽんぽん 狐拳

とぼけた色では ないかいな

 

引けや引け引け 引くものにとりては

花に霞よ 子(ね)の日の小松

初回の盃 馴染みの煙草盆 お洒落娘の袖たもと 下場の履物 

内裏女郎の召し物 座頭のまわし菖蒲に大根 御神木のしめ縄

 

実にも上なき市川の 栄え三枡の寿の字海老 目出度かりける

 

 

 

11月4日改訂

11月9日改訂

 

(演出の都合上、変更になる場合があります。)

 

 

解 説

清元で通常お祭りというと「申酉」という曲をさすことが多いですが、今回の博多座「お祭り」は今月公演のための特別なメドレーになっております。

 

「申酉」「神田祭」と清元の名作も箇所箇所に入っており、「粋な稲荷」や市川海老蔵丈の屋号「成田屋」「十一代」「海老」の歌詞も散りばめられ華やかな舞台を演出いたします!

(((o(*゚▽゚*)o)))

 

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写真は2015年2月歌舞伎座「神田祭」の写真です。

 

御祭礼の提灯が所々に飾ってあり、とても華やかな雰囲気。

このような場面を想像していただくと良いと思います( ´艸`)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫