2023年1月14日放送 NHK FMラジオ 邦楽百番「流星」「梅の春」

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こんにちは。くにえです。

昨日NHKFMラジオの収録をして参りました(*^▽^*)



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放送日2023年1月14日(土) 午前11時00分~ 午前11時50分
再放送2023年1月15日(日) 午前5時00分~ 午前5時50分 

NHK FMラジオ 邦楽百番「流星」「梅の春

演奏
浄瑠璃
清元 美寿太夫  清元 清榮太夫  清元 一太夫  清元 國惠太夫
三味線
清元 菊輔  清元 美三郎  清元 美十郎(上)


今回は「流星」も「梅の春」も抜ける箇所がございます。

ページ最後に今回のバージョンの歌詞を掲載いたします。
放送をお聴きの際はご活用ください!数倍楽しんで頂けると思います(^^)

また、解説のページも貼り付けておきますので、こちらもご参照ください!




「流星」國惠太夫HP




「梅の春」國惠太夫HP







「流星」放送バージョン

それ銀漢と唐詞に つらぬる五言七言の 硬い言葉を柔らぐる
三十一文字の大和歌 天の河原にかわらじと 深くも願う夫婦星

流星「御注進 御注進」

呼ばわる声も高島や 飛んで気軽な流星が 
丸い世界へ生まれしからは 恋をするのが特鼻褌(とくびこん) 
寝るに手まわし宵から裸 ぞっと夜風にハッハッハッ ハックサメ 
彼奴が噂をしているか エエ畜生めと夕闇を 足も空にて駆け来たり

牽牛「誰かと思えば そちゃ流星」
織女「注進とは何事なるか」
牽牛「様子はいかに」
流星「ハハーッ さらば候そろそろと 三つ合わせてさん候」

およそ夜這いと化け物は 夜中のものに宵の内 
とろとろやろうと思いのほか 一つ長屋の雷が 
夫婦喧嘩の乱騒ぎ  聞けばこの夏流行の 
端唄の師匠へ落っこちて 気は失なわねど肝心の 雲を失い居候
そこで端唄を聞き覚え この天上へ帰っても つい口癖になるときも 
ごろごろごろごろごろごろ エエごろごろごろ 
聞く女房は呆れ果て マッコレそんなのろけた鳴りようでは 
恐がるお臍で茶を沸かそう 鳴るなら大きな声をして 
ゴロゴロゴロ ピカピカピカ ゴロゴロゴロ ピカピカピカ
ゴロゴロ ゴロゴロ ゴロゴロゴロゴロ ゴロゴロ・・・・・
ピシャリっと 鳴らねばさまを付けられぬ と言えば
亭主は腹を立て それは昔の雷だ  大きな声で鳴らずとも 
粋に端唄で鳴るのが当世 それがいやなら 

出て行きゃれ 
なに出て行けとえぇ 
オオサッ 角を見るのも アァ厭になった

我がものと思えば軽ろし傘の雪

我がもの故に仕方なく 我慢をすりゃあつけ上がり 
亭主を尻に引きずり女房 サア恋の重荷の子供を連れ 
きりきりと出て行きゃれ 
いえいえここは私の家 
お前は婿の小糠雨 傘一本もない身の上 
汝そうぬかせば了簡がと 打ってかかるを
ゴロゴロゴロ ゴロゴロゴロと鳴る音に
傍に寝ていた小雷 コヨコヨコヨと起き上がり 
コレ父さん可哀想に母さんを 背負った太鼓じゃあるまいし 
何でそのようにたたくのじゃ 堪忍してとコヨコヨコヨ 
かかる騒ぎに隣りから 婆雷が止めに来て 
マママこれ お前方はどうしたのじゃ 夫婦喧嘩は雷獣も 
喰わぬに野暮を夕立は どんな太鼓の八つ当たり 出て行との一声は

月が鳴いたか時鳥 いつしか白む短夜に まだ寝もやらぬ手枕や

アレおなるさんもくよくよと  愚痴なようだが コレマ泣いているわいな 
端唄に免じて五郎介どの 了簡見してとゴロゴロゴロ 
いえいえ私しゃ 打たれたからは 了簡ならぬとゴロゴロゴロ 
ならずば汝とゴロゴロゴロ 
父さん待ってコヨコヨコヨ 
これはしたりとゴロゴロゴロ
止めるはずみに雷婆 ウーンとばかりに倒るれば
こりゃころりではあるまいか 医者よ針医と立ち騒げば 
入れ歯の牙を飲み込んで 胸につかえて苦しやと 
言うにおかしく仲直り 夫婦喧嘩のあらましは かくの通りと手ぬぐいで 
汗を拭うて至りける

織女は更ゆく小夜風に 名残りを惜しむかこち事
仲を隔てて流星が これはどうした文句やら
口説はササラサラリッと 箒星にて掃きいだし
さあさあ早くお床入り これから我らも色まわり 西へ飛ぼうか 東へ飛ぼか 
どちへ行こうぞ思案橋 浮かれ浮かるる足の下 撞き出す鐘は浅草か
雲の上野の明け六つに 南無三夜明けに この姿(なり)では

流星「ハヤおさらば」
牽牛・織女「さらば」

虚空はるかに 失せにけり





「梅の春」放送バージョン


春景色 浮いて鴎の一ィ二ゥ三ィ四ォ
いつか東へ筑波根の かのもこのもを都鳥
いざ言問はん恵方さへ よろづ吉原 山谷掘 宝船こぐ初買に 
よい初夢を三ツ布団 弁天さんと添ひ節の 
花の錦の飾り夜具 二十ばかりも積み重ね 蓬来山と祝ふなる 
富士を背中に家がための 塩尻ながく居すわれば 
ほんに田舎も真柴焚く 橋場今戸の朝煙り 
つづくかまども賑おうて 太々神楽門礼者 
梅が笠木も三囲りの 土手に囀る鳥追いは 
三筋霞の連れ弾きや 君に逢ふ夜は 
たれ白髭の森越えて 待乳の山と庵崎の その鐘が渕 
かねごとも 楽しい仲じゃいかいな 面白や 千秋楽は民をなで 
万歳楽には命を延ぶ 首尾の松が枝竹町の渡し守る身も時を得て
目出度くここに隅田川 つきせぬ流れ清元と 栄え寿く梅が風 
幾代の春や匂ふらん 幾代の春や匂ふらん