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YouTubeチャンネル「清元pockets」を開設しました!

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こんにちは。くにえです。

この度YouTubeチャンネル「清元pockets(きよもとポケッツ)」を開設いたしました(^O^)

 

 

 

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(画像をクリックするとYouTube「清元pockets」に飛びます)

 

  

 

 

このチャンネルでは通常の清元の曲を3~5分くらいに切り取りまして皆様に手軽にお聞きいただきたいというコンセプトで開設いたしました。

 

近々歌舞伎や舞台で演奏される演目を優先的に、また簡単な解説と歌詞を入れ定期的に動画をアップして行きたいと思っております。

 

 

 

 

宜しくお願い致しますm(_ _)m

三月大歌舞伎in歌舞伎座

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こんにちは。くにえです。

 

来月、3月に歌舞伎座に於きまして「三月大歌舞伎」が開催されます。

 

 

 

2021.3_kabukiza_chirashi.jpg

(クリックすると大きく表示されます)

 

 

第二部「雪暮夜入谷畦道~直侍~」と第三部Aプロ「隅田川」が清元の演奏になります。

 

くにえは第二部「雪暮夜入谷畦道~直侍~」に初日4日より21日まで出演させていただく予定です。

※11日は休演日です。

 

 

\( 'ω')/3月も清元が聴けます\( 'ω')/

 

皆々様!宜しくお願い致します!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

1月30日(土)NHKFMラジオ邦楽百番「夕霧」放送

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こんにちは。くにえです。

 

本日、1月30日(土)NHKFMラジオ放送分の邦楽百番「夕霧」を収録して参りました!

 

 

 

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コロナ対策の関係で大きなスタジオ、そして座る位置を隣と2m空けての収録でした。

 

くにえは夕霧のセリフ箇所を頂戴いたしました(^O^)

 

昨年12月の京都南座での興行では竹本ご連中がなさる部分も清元で演奏します。

節回しも三味線も違い、清元のみの演奏も情緒があってとても良いものです(≧▽≦)

是非とも聞き比べてみてください( ´艸`)

 

 

NHK FMラジオ 邦楽百番「夕霧」

 

放送日

2021年1月30日(土) 午前11:00~午前11:50

再放送

2021年1月31日(日) 午前5:00~午前5:50

 

 

浄瑠璃

清元 美寿太夫  清元 清榮太夫  清元 國惠太夫

三味線

清元 美治郎  清元 延美雪  清元 美一郎(上)

 

 

 

宜しくお願い致しますm(_ _)m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

京都南座「吉例顔見世興行」千穐楽を迎えました!

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こんにちは。くにえです。
 
本日、京都南座「吉例顔見世興行」が千穐楽を迎えました!
 
 
 
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今月の「廓文章」の舞台です。
舞台稽古直前、第3部関係者全員へのコロナ対策説明会を客席で行い、終了後に撮影したものです。
 
 
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今月の大入りと筋書です。
 
 

 
今の状況で顔見世興行が京都で開催された事、またその舞台に乗せて頂けた事は私にとりまして大変幸せなことです。
 
本当にありがとうございます。
 
舞台に携われる喜びや感謝、また演奏に対する難しさ。
改めて考える事が出来ました。
 
 
何より多くのお客様のご来場、私よりも心より御礼申し上げます。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

清元 國惠太夫

廓文章・吉田屋(夕霧)プチ解説&歌詞

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こんにちは。くにえです。

 

来月京都南座に於いて「吉例顔見世興行」が開催されます。

その第三部に竹本・清元「廓文章・吉田屋」が掛かります。

(吉例顔見世興行の詳細は國惠太夫blog「京都南座 吉例顔見世興行」をご覧ください)

 

 

今回は「廓文章・吉田屋」の清元の箇所の解説と歌詞を書きたいと思います(^O^)

 

浄瑠璃は母音を伸ばしたり「節付け」があります。

そのため耳だけでとらえるのはなかなか難しい箇所もございます。

 

 

6~8分で読んでいただけると思います。

歌詞もサクッとお読みいただくだけで舞台の概要や雰囲気をより一層楽しんで頂けると思います!

また江戸風俗、古語、清元を学ぶ際のちょっとしたお役に立てれば幸いでございます!

 

是非ともご活用くださいませ\( 'ω')/

 

 

 

 

解 説

 

清元での本名題は「春夜障子梅(はるのよしょうじのうめ)」と言います。

芝居などで竹本連中と掛合の場合は「廓文章」と表現する場合がほとんどです。

これは元々は義太夫の「廓文章」の「吉田屋の場」を清元の前身である「富本節」に作曲しなおした為です。(のち清元へ移調されました。)

これも清元では「吉田屋」「夕霧」と、少し違う通称をします。

 

初演は天明4年(1784年)正月(江戸森田座)。

ちなみにこの天明は、現在の福岡県志賀島で金印が発見されたり、数年に渡り「天明の大飢饉」が起こったり、浅間山の噴火と当時の民衆にも大きな出来事は数多くあった時代だった様です。

 

作詞は近松門左衛門(義太夫時の作者)、作曲は佐々木市四郎、初演の浄瑠璃は富本斎宮太夫です。

初演の伊左衛門は四世松本幸四郎、夕霧は三枡徳次郎。

高麗屋さんにとってもとても縁の深い演目なのです)^o^(

 

 

「清元」になってからの初演は文久3年(1863年)9月(江戸中村座)です。

 

 

 

登場人物の「夕霧太夫」は大阪の新町の実在した人物です。

江戸の「高尾太夫」京都の「吉野太夫」そして大阪の「夕霧太夫」と並び称されたほどの名妓だったようです。

京都島原にあった「扇屋」に在籍し、お店の移転と共に大阪新町へ。

その後、延宝6年(1678年)に27歳で没したと記録にあります。

 

 

芝居の内容は

親に勘当され、紙で出来た着物(紙子)を着なくてはならない程落ちぶれた伊左衛門。

夕霧の居る吉田屋を訪れ、主人の喜左衛門に昔馴染みで部屋へ通してもらえるが、どうやら当の夕霧は他の客と遊んでいるらしい。

床の間にある三味線を取って、奥座敷から聞こえてくる音と共に嫉妬と怒りを「ゆかりの月」の唄で表します。

 

それを知った夕霧は伊左衛門の所へ走り寄って嬉し涙を流しますが、伊左衛門は「万歳傾城」とののしって足蹴にします。

夕霧は伊左衛門の誤解を悲しみ、寝ても覚めても思い続けて病気も患ってしまったことを訴え、

そこへ扇屋主人喜左衛門と女房おさきが来て、伊左衛門の勘当が許され、夕霧を見受けする手続きも無事終わった旨を告げます。

めでたしめでたし、で終わります( ´艸`)

 

 

清元の「くどき」といわれる夕霧の心情を語る箇所などが聴きどころとなっております!^^


また我々の座っている山台は「隣のお座敷」という設定です。

どこからともなく三味線や唄が聴こえてくるという日本古来のルール「暗黙の了解」の成立する「他所事浄瑠璃(よそごとじょうるり)」の作品でもあります\(^o^)/

 

 

歌 詞

 

後には一人うたたねの 寝ても寝られぬ置炬燵

掛ける布団の肌寒く

 

「セリフ」

 

奥の様子を伊左衛門 腹立まぎれ床の間の 三味線引きよせ調子さへ

合はばどうしてこうしてと 胸は二上り三下り

唄のしょうがに合の手や 可愛い男に逢坂の

関よりつらい世のならい

 

「セリフ」

 

思はぬ人に堰き留められて 今は野澤の一つ水

 

「セリフ」

 

済まぬ心の中にも暫し 澄むはゆかりの月の影

無残やな夕霧は 流れの昔なつかしき

夫の音締め身にこたえ 飛び立つ心奥の間の

首尾が朽ちせぬえんと縁 胸と心の間の山 間の襖の工合よく

明暮恋しい夫の顔 見るに嬉しく走り寄り

抱きついたるきりぎりす 泣くより外の事ぞなき

 

「セリフ」

 

とうに死ぬるはずなれど 今日まで命 長らえしも

神仏の控え綱 これ 懐かしゅうはないかいな

顔が見とはないかいなと 

揺り起こし 揺り起こし 抱き起こせば

 

「セリフ」

 

通りゃと言ひければ

 

「セリフ」

 

誠にめでとうさむらいける

 

「しかも足駄はいて蹴るやら」

 

年立ち返る足駄(あしだ)にて 誠にめでたうさむらひける

 

「セリフ」

 

慾わかに御萬歳とや 年立ち返る足駄にて 誠にめでたうさむらいける

 

「町人も蹴る 伊左衛門も蹴る」

 

と蹴ちらかし 煙草引きよせ吹く煙管の さらぬ体にて居たりける

 

夕霧涙もろともに 怨みられたり嘆つのは 色のならいと言いながら

仲直りすりゃ明の鐘ェェ 憎うてならぬ鳥の声

何の烏が意地悪で 啼くぢゃなけれど絹ぎぬの

去なせとむない心から 去年の暮から丸一 年

二年越しに音づれなく それは幾瀬の物案じ

それ故にこの病い痩せ 衰えたが目に見えぬかァァ

せん薬とねり薬と鍼と 按摩でようようと

命繋いでたまさかに 逢うてこなはんに甘ようと

思うところを逆さまな こりゃ酷らしいどうぞいの

心強や胴慾な 憎やと膝に引き寄せて

さすっつ泣いつ声を上げ 訳も性根もなかりける

「セリフ」

 

家内が勇む勢ひにィィ 連れて浮き立つ伊左衛門

悦びの眉を開くや扇屋夕霧 名を萬代の春の花

目出度かりけるゥゥ

 

 

 

※演出上変更になる場合がございます。

 

 

  

参考資料

清元全集 清元集 清元五十番

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

博多座「市川海老蔵特別公演」千穐楽を無事迎えました!

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こんにちは。くにえです。
 
本日、博多座「市川海老蔵特別公演」が無事千穐楽を迎えました!
 
11日より15日間、昼夜全25回の興行はほぼ満席でございました\(^o^)/
 
夜の部には質問コーナーもあり、質問内容の冒頭「〇〇から来ました」と遠方からわざわざご観劇下さるお客様もたくさんいらっしゃいました^_^
 
 
ありがとうございました!
 
 
 

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大入りを頂戴致しました! 
 


 
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昼の部「流星」です。舞台稽古の際に撮りました。
 
 
 
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こちらは夜の部「お祭り」。同じく舞台稽古時に撮影しました。
 
 
 

今回予定が合わずお越しになられなかった方、またこのご時世ですので見送られた方。
 
お越し頂いた方は思い出しながら、お越しになれなかったお客様は「流星」「お祭り」の画像で雰囲気を楽しんで頂けましたら幸いでございます。
 
 
来月は京都南座「吉例顔見世興行」に出演させて頂く予定でございます。
 
 
 
私はこれからもコロナ禍に負けず、益々励んで行きたいと思っております。
 
どうか今までと変わらぬお力添え、ご声援賜りますよう宜しくお願い致しますm(_ _)m
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
清元 國惠太夫

京都南座 吉例顔見世興行

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こんにちは。くにえです。

来月、京都南座に於いて「吉例顔見世興行」が12月5日〜19日まで開催されます。
 
 
 
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(クリックすると大きく表示されます)
 
 

くにえは第3部「廓文章 吉田屋」に全日程出演させて頂く予定です。
 
 
12月5日(土)〜19日(土)、11日(金)は休演日です。
 
コロナ禍の中、通常より日程は少ないですが例年通り京都の顔見世興行が開催される事はとても嬉しいです!
 
引き続き、私自身も体調に気を付けながらしっかり勤めさせて頂きたいと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
清元 國惠太夫

11月博多座 夜の部「お祭り」歌詞&プチ解説

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こんにちは。くにえです。

 

11月博多座「市川海老蔵特別公演」夜の部「お祭り」の歌詞&プチ解説を書きました。

 

※昼の部「流星」解説はこちらです。

※市川海老蔵公演の記事はこちらです。 

 

浄瑠璃を耳だけでとらえるのはなかなか難しい箇所もございます。

 

 

4~5分で読んでいただけると思います。

歌詞をサクッとお読みいただくだけで舞台をより一層楽しんで頂けると思います!

 

是非ともこちらをご活用くださいませ\( 'ω')/

 

 

「お祭り」

 

歌 詞

 

申酉の 花も盛りの暑さにも 負けぬ気性と見かけから

 

粋な稲荷を 思えばよしや ちょっと格子へ呼子鳥

想いくらべん恋の仲 勝り劣らん花の意地

 

常から主の仇な気を 

知っていながら女房になって 見たいの欲が出て

神や仏を頼まずに 義理もヘチマの革羽織

親分さんのお世話にて 渡りも付けてこれからは

世間構わず 人さんの前 はばからず引き寄せて

 

森の子がらす我はまた 尾羽をからずの羽根さえも

なぞとアイツが得て物の ここが木遣りの家の株

 

千代に八千代の御贔屓も 変わらぬ色は紫の

ゆかし面影 江戸桜 負けぬ気性は荒磯の

水を浴びたる飾り海老 

エンヤ エンヤこれは あれはさのえ

 

言わずと知れしお祭りの 形(なり)もすっかり そこら中

行き届かせてコブもなく ここでは一つ あそこでは

かしら頭と立てられて ご機嫌じゃのと町内の

家主方も夕日かげ 風もうれしく戻り道

 

じたい去年の山帰り 言うは今更 過ぎし秋

初の一座の連れのうち 面白そうな口合いに

好いたが因果 好かれたも 心に二つはないわいな

その時あいつが口癖に 諦めて何のかのと ありゃ只の人

赤凡夫の我々なりゃこそ 滅法界にまよいやす

お手が鳴るから銚子の変わり目と上がってみたれば

お客が三人 庄屋ぽんぽん 狐拳

とぼけた色では ないかいな

 

引けや引け引け 引くものにとりては

花に霞よ 子(ね)の日の小松

初回の盃 馴染みの煙草盆 お洒落娘の袖たもと 下場の履物 

内裏女郎の召し物 座頭のまわし菖蒲に大根 御神木のしめ縄

 

実にも上なき市川の 栄え三枡の寿の字海老 目出度かりける

 

 

 

11月4日改訂

11月9日改訂

 

(演出の都合上、変更になる場合があります。)

 

 

解 説

清元で通常お祭りというと「申酉」という曲をさすことが多いですが、今回の博多座「お祭り」は今月公演のための特別なメドレーになっております。

 

「申酉」「神田祭」と清元の名作も箇所箇所に入っており、「粋な稲荷」や市川海老蔵丈の屋号「成田屋」「十一代」「海老」の歌詞も散りばめられ華やかな舞台を演出いたします!

(((o(*゚▽゚*)o)))

 

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写真は2015年2月歌舞伎座「神田祭」の写真です。

 

御祭礼の提灯が所々に飾ってあり、とても華やかな雰囲気。

このような場面を想像していただくと良いと思います( ´艸`)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

11月博多座 昼の部「流星」歌詞&プチ解説

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こんにちは。くにえです。

 

11月博多座「市川海老蔵特別公演」昼の部「流星」の歌詞&プチ解説を書きました。

 

※夜の部「お祭り」解説はこちらです。

※市川海老蔵公演の記事はこちらです。 

 

浄瑠璃を耳だけでとらえるのはなかなか難しい箇所もございます。

 

 

7~8で読んでいただけると思います。

歌詞をサクッとお読みいただくだけで舞台をより一層楽しんで頂けると思います!

 

是非ともこちらをご活用くださいませ\( 'ω')/ 

 

 

 

 

流 星

 

 

 

解 説

 

 

本名題を「日月星晝夜織分(にちげつせいちゅうやのおりわけ)」といいます。

作詞は河竹新七(のちの河竹黙阿弥)作曲は清元順三で、1859年(安政6年)に江戸市村座で初演されました。ちなみにこの年はあの有名な大老井伊直弼が「安政の大獄」に踏み切り、徳川慶喜を始めとする多くの学者や各藩の有力な人物が処分を下された年です。

 

歴史の勉強などをすると何とも暗い世の中だったイメージですが、庶民の暮らしは相変わらず芝居を楽しんだりと普通の生活を送っていたことも想像できますね( ´艸`)

  

開曲当初は通称を「夜這星(よばいぼし)」と呼んでいましたが、時代と共に風紀を害するということで五世延寿太夫が「流星(りゅうせい)」と変更しました。

 

舞台は七夕の夜に牽牛(けんぎゅう)【彦星のこと】と織女(しょくじょ)【織姫のこと】が年に一度の逢瀬を楽しんでいるところに、流星が天上界に自分の身の回りで起きた事を注進するところから始まります。
 

牽牛織女に流星が話す内容とは、自分の隣に住む雷夫婦の喧嘩のことでした。 

 

ある日、父雷が雲から落っこちてしまい、端唄の師匠のところに居候します。居候中に聞いて

覚えた端唄混じりの雷を天上界に戻っても、つい鳴らしてしまいます。
その様子に呆れはてた母雷と夫婦喧嘩になってしまうのです。
子雷や隣の婆雷が仲裁に入りますが、いっこうに収まりません。

 

はたして夫婦喧嘩の結末はどうなったのでしょうか?

 

歌詞の中に当時流行歌だった「端唄」や伝染病として蔓延した「コロリ(これら)」など、
当時の世相がよく反映された傑作です。

また「丸い世界」という歌詞も出ます。当時から既に世界は丸いという知識が当たり前だったようですね!

 

そしてキーワード「夫婦喧嘩」。

これもいつの時代も変わらず・・・(笑)

 

一人の立ち方が「父雷」「母雷」「子雷」「婆雷」を瞬時で踊り分けます。

見どころ満載、ユーモラスたっぷりの舞台を是非ご覧ください!(*^▽^*)

 

 

実は2009年12月に流星の清元の演奏のみの動画をYoutubeにアップしております。

今回の舞台とは曲の構成が違いますがお聞きくだされば幸いです。

國惠太夫blog「清元「流星」について」にYoutubeのリンクがございます(∩´∀`)∩

 

 

 

歌 詞

 

※今回は役柄によって歌詞の色を変えてみました。

父雷」「母雷」「子雷」「婆雷


それ銀漢と唐詞に 連ぬる五言七言の

かたい言葉を柔らぐる 深くも願う夫婦星

 

流星「御注進 御注進」

 

呼ばわる声も高島や 飛んで気軽な流星が 

丸い世界へ生まれしからは 恋をするのが特鼻褌(とくびこん) 

寝るに手まわし宵から裸 ぞっと夜風にハッハッハッ ハックサメ 

彼奴が噂をしているか エエ畜生めと夕闇を 足も空にて駆け来たり

 

牽牛「様子はいかに」

流星「ハハーッ さらば候そろそろと 三つ合わせてさん候」

 

およそ夜這いと化け物は 夜中のものに宵の内 

とろとろやろうと思いのほか 一つ長屋の雷が 夫婦喧嘩の乱騒ぎ 

聞けばこの夏流行の 端唄の師匠へ落っこちて

気は失なわねど肝心の 雲を失い居候

そこで端唄を聞き覚え この天上へ帰っても つい口癖になるときも 

ごろごろごろごろごろごろ エエごろごろごろ 

聞く女房は呆れ果て マッコレそんなのろけた鳴りようでは 

恐がるお臍で茶を沸かそう 鳴るなら大きな声をして 

ゴロゴロゴロ ピカピカピカ ゴロゴロゴロ ピカピカピカ

ゴロゴロ ゴロゴロ ゴロゴロゴロゴロ ゴロゴロ・・・・・ピシャリっと

鳴らねばさまを付けられぬ と言えば

亭主は腹を立て それは昔の雷だ 

大きな声で鳴らずとも 粋に端唄で鳴るのが当世

それがいやなら 出て行きゃれ 

なに出て行けとえぇ 

オオサッ 角を見るのも アァ厭になった

 

我がものと思えば軽ろし傘の雪

 

我がもの故に仕方なく 我慢をすりゃあつけ上がり 

亭主を尻に引きずり女房 サア恋の重荷の子供を連れ きりきりと出て行きゃれ 

いえいえここは私の家 

お前は婿の小糠雨 傘一本もない身の上 

汝そうぬかせば了簡がと 打ってかかるを

ゴロゴロゴロ

ゴロゴロゴロと鳴る音に

傍に寝ていた小雷 コヨコヨコヨと起き上がり 

コレ父さん可哀想に母さんを

背負った太鼓じゃあるまいし 何でそのようにたたくのじゃ

堪忍してとコヨコヨコヨ 

かかる騒ぎに隣りから 婆雷が止めに来て 

マママこれ お前方はどうしたのじゃ 夫婦喧嘩は雷獣も 

喰わぬに野暮を夕立は どんな太鼓の八つ当たり 出て行との一声は 

 

月が鳴いたか時鳥 いつしか白む短夜に まだ寝もやらぬ手枕や 

 

アレおなるさんもくよくよと 

愚痴なようだが コレマ泣いているわいな 

端唄に免じて五郎介どの 了簡見してとゴロゴロゴロ 

いえいえ私しゃ 打たれたからは 了簡ならぬとゴロゴロゴロ 

ならずば汝とゴロゴロゴロ 

父さん待ってコヨコヨコヨ 

これはしたりとゴロゴロゴロ 

止めるはずみに雷婆 ウーンとばかりに倒るれば 

こりゃころりではあるまいか

医者よ針医と立ち騒げば 

入れ歯の牙を飲み込んで 胸につかえて苦しやと 

 

言うにおかしく仲直り 夫婦喧嘩のあらましは

かくの通りと手ぬぐいで 汗を拭うて至りける

浮かれ浮かるる足の下 撞き出す鐘は浅草か

雲の上野の明け六つに 南無三夜明けに この姿(なり)では

 

流星「ハヤおさらば」

 

虚空はるかに(失せにけり)

  

 

(演出の都合上、変更になる場合があります。)

 

 

 

 

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写真は2016年7月歌舞伎座で上演された「流星」の写真です。

天上界の雲がとても映えるセットです。

今回とは違うと思いますがイメージを膨らませて下さいませ!(≧▽≦)

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

市川海老蔵特別公演in博多座

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こんにちは。くにえです。

 

来月、11月に博多座に於いて「市川海老蔵特別公演」が開催されます。

 

 

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(クリックすると大きく表示されます)

 

11月11日(水)~25日(水)の全公演、昼の部「流星」夜の部「お祭り」に出演させていただく予定です。

 ※昼の部は18日休演。夜の部は13日、16日、19日、22日休演です。

 

 

コロナ禍の中で久しぶりの東京以外での公演出演です\( 'ω')/

 

 

よろしくお願いいたします!

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

九月大歌舞伎「かさね」千穐楽を迎えました(^o^)

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こんにちは。くにえです。

 

本日、九月大歌舞伎第二部「かさね」が無事千穐楽を迎えました!

 

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千穐楽、大入りを頂戴いたしました!

 

 

 

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当月の「かさね」の舞台です。

 

 

7日、17日の休演日を挟んでの24日間興行。

毎回多くのお客様が足を運んで下さり、たくさんの拍手を力に私も一隅より勤めさせていただきました。

心より御礼申し上げますm(__)m

 

 

歌舞伎座に出演させていただき、毎日コロナ禍で緊張しておりましたがやはり舞台はくにえにとって至上の喜びです。

 

来月以降も歌舞伎座は上演予定です\( 'ω')/

変わらぬ御贔屓をお願いいたします。

 

 

今後とも演劇界、歌舞伎界、清元、そして國惠太夫を(笑)

宜しくお願い致しますm(_ _)m

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

9月23日(水)放送 NHK FMラジオ 邦楽のひととき「権上」

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こんにちは。くにえです。

 

 

本日、NHKラジオ「邦楽のひととき」の収録をして参りました。

 

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コロナ対策により、一人一人の間隔をあけて、大きいスタジオでの収録でした。

 

 

NHK FMラジオ 邦楽のひととき

「権上」

 

 

浄瑠璃

清元 榮志太夫  清元 一太夫  清元 國惠太夫

三味線

清元 菊輔  清元 美三郎  清元 美十郎(上)

 

 

放送日

2020.9.23(水)11:20~11:50

2020.9.24(木)5:20~5:50(再放送)

 

 

 

 

宜しくお願い致します!(^O^)

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

清元 かさね 歌詞&プチ解説

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こんにちは。くにえです。

 

九月大歌舞伎の第二部「かさね」についてプチ解説と歌詞を載せました!

先月の吉野山の歌詞の掲載も「舞台の内容がより理解できて良かった」とうれしいご意見を頂きました(^O^)

 

歌詞はページ一番下にございます。

九月大歌舞伎のチラシ等も國惠太夫blogに載せております。

こちらもご覧ください。

 

 

 

この記事は7~8分で読んでいただけると思います。

 

 

 

解 説

 

かさね(累)、本名題を「色彩間刈豆(いろもようちょっとかりまめ)」と言います。

この「刈豆」の部分は実説で豆刈りの後に累を殺しているところから取ったとされています。

 

文政6年(1823)6月、江戸森田座で鶴屋南北作「法懸松成田利剣(けさかけまつなりたのりけん)」の2幕目に初演されました。

劇自体はしばらく上演されませんでしたが、大正9年(1920)12月に累役の六代目尾上梅幸(ばいこう)・与右衛門役の十五代目市村羽左衛門(うざえもん)・浄瑠璃の五代目清元延寿太夫で再演という運びになりました。

以後、清元の代表作の1つとなりました。

 

 

芝居の内容は武士の与右衛門が腰元の累を殺そうと道行になります。

この与右衛門は悪党で、累の母とも愛人関係にあり、その上に夫の助を鎌で殺しているのでした。

何も知らない累は愛する与右衛門と共に木下川堤(きねがわづつみ)までやってきます。

そこに助のドクロと鎌が流れてきます。

与右衛門が鎌をとった瞬間、助の怨念で累の顔がみるみる醜悪になります。

そこで与右衛門は本性を見せ、累にその鎌を振りあげ切り殺すという内容です。

 

2013.8_hachigatunouryoukabuki_kasane1.jpg

「かさね」の舞台です。

写真は2013年8月。歌舞伎座で上演されたときのものです。

(当時の國惠太夫blog記事はこちら。)

 

舞台正面には木下川の堤があり、土橋の下に川が流れています。

 

 

  

 

 

えっ?!実話??!!

 

累は1600年台、江戸幕府が開かれて間もない頃の実話が元と言われています。

茨城県常総市羽生町の法蔵寺というお寺に累やその一族の墓や遺品が残っています。

 

法蔵寺の画像が載っているページを見つけました。 

法蔵寺・累の墓

 

この法蔵寺に残る実説です。

堀越与右衛門(初代)に所に、すぎは助(すけ)という連れ子と共に嫁入りしました。

この連れ子の助は片足が悪い上に顔が醜く与右衛門に邪魔者扱いされ、6つの歳に鬼怒川の岸で母親に

殺されてしまいます。

やがて夫婦の間に女児が生まれますが、親の因果で片目で足の悪い不器量者でした。

名前を「お累(おるい)」と名付けましたが近所では「累なる(かさなる)因果」という意味を含めて

「累(かさね)」と呼ぶようになりました。

累がある時、病気の旅人を看病したことが縁でその旅人を二代目与右衛門として夫婦になりました。

しかし、この与右衛門は累の醜さに嫌気がさし、他の女と一緒になるため、豆刈りの帰り、夕暮れ時の鬼怒川へ突き落として殺してしまいます。

 

そ知らぬ顔で与右衛門は幾人の妻を娶りますが、これも因果か夫婦仲は円満ではありませんでした。

そして最後に結婚した「おきよ」との間に菊という女児が生まれます。

この菊に累や助の怨霊が乗り移り、先の累殺しや初代与右衛門夫婦の助殺しなどを語りだし、罪を暴いてしまうという内容です。

 

因みにその菊の怨霊を祓った人物が「祐天上人(ゆうてんじょうにん)」といって、現在の東急東横線の駅名にもなっている「祐天寺」を開山して、累たちの霊を弔ったとされています。

 

因みついでにもう1つ。

祐天寺には「累塚」があります。現在の塚は清元「累」を再演した際、累役の六代目尾上梅幸(ばいこう)・与右衛門役の十五代目市村羽左衛門(うざえもん)・浄瑠璃の五代目清元延寿太夫の三者で寄進されました。

 

現在でも歌舞伎なので「累」を上演する際、主だった関係者で累塚にお参りします。

 

 

 

初 演

 

文政6年(1823)6月、江戸森田座。

与右衛門・七代目市川團十郎

   累・三代目尾上菊五郎

 

 

作 詞

松井幸三

作 曲

清元斎兵衛

 

  

 

 

歌 詞

 

思いをも 心も人に染めばこそ

恋と夕顔夏草の

※(消ゆる間近き 末の露 もとの雫や世の中の) 

遅れ先立 つ二道を

同じ思ひに後先の わかちしどけも夏紅葉

梢の雨やさめやらぬ 夢の浮世と行きなやむ

男に丁度青日傘 骨になる共何のその

跡を逢ふ瀬の女気に こわい道さへようようと

互いに忍ぶ野辺の草 葉末の露か蛍火も

もし追手かと身づくろひ こころ関屋も後になし

木下川堤に着きにけり

 

与右衛門「これ累 思ひがけないこの所へ そなたはどうして来やったぞ」

累   「どうしてとは胴慾な 一緒に死のうと約束して お前一人      覚悟の書置 ここまで慕うて来た程に 共に殺して下さんせ」

与右衛門「切なる心は尤もなれど そなたの養父は御預りの撫子の茶入紛失故 殿様の御とがめ受け それさへあるに 其方と死んでは親への不孝 思ひあきらめ此処から早う 帰ってたも」

 

言ふ顔つくづく打まもり ひょんな縁でこのように 遂こうなった 仲じゃ故

勿体な い事乍ら 去年の初秋うらぼんに 祐念様の御十念

その時ふっと見染めたが ほんに結ぶの神ならで 仏の庭の新枕

初手から蓮のうてなぞと 心で祝ふ菩提心 後生大事の殿御じゃと

奥の勤め の長つぼね 役者びいきの噂にも どこやら風が成田屋を

お前によそへて楽しむ心 お年忘れに奥御殿 打交りたる騒ぎ唄

入黒子 いれぼくろ  起請誓紙は反古にもなろが 五月六月は満更ほぐにも成りやせまい

唄う辻占今の身に あたりて私が恥かしと あと言いさして口ごもる

 

与右衛門「はて 是非に及ばぬ それ程迄に思ひつめたる其方の心

     可愛いや共に腹の子まで このまま殺すも世の成行

     ふびん の者の心やな」

 

深き心をしら玉の 露の命をわれ故に 思えばびんなき心やと

手を取交し歎きしが せめて義理ある親達や 生みの親へも よそながら

今宵限りの暇乞ひ 不孝の罪は幾重にも お許しあれと諸共に

川辺に暫し泣き居たる

不思議や流れに漂ふ髑髏 助が魂魄 錆つく鎌

 

与右衛門「なに 俗名 助」

累   「えぇ アイタ アイタアーー イタ ・ ・ ・」

与右衛門「おぉ さては死霊の」

累   「アレー」

捕り手 「与右衛門 御用だ」

 

暫し争ふ折柄に 風に流るる ひと節に

夜や更けて 誠に文は ねやの伽  筆のさや焚く煙りさえ 埓も中洲のしらむ東雲

 

累   「あぁもし お前どこへ行かしゃんすえ」

与右衛門「さぁ わしは やぁ そなたの顔は」

累   「何 わたしの顔が」

与右衛門「おそろしい」

累   「何  恐ろしい 恐ろし いはお前の心 さぁその文         一寸見せて下さんせ」

与右衛門「こ こ の手紙は」

累   「見せられまい 見せられまいがなぁ              ちぇー お前はなぁ」

 

それその様によそ他に  深い楽しみあればこそ  わしをだまして胴慾な

もしやにかかる恋の慾  兎角浮世が ままにもならば 帯の矢の字を前垂に

針打やめて落しばら 駒下駄履いて歩いたら  まことに誠に嬉しかろ

ならぬ先まで思ふのも  今更身で身が恥しい  むごいわいのと取つ いて

変る姿を露知らず  色をふくみし取りなりは  憐れにもまた いぢらしや

 

与右衛門「道理々々 死ぬると云ふは皆いつわり  国へ帰参の此与右衛門 足手まといとは思へども  そなたを連れて これよりすぐに」

累   「そんなら一緒に」

与右衛門「さぁ おじゃ」

累   「あい」

 

いそいそ先へたちまちに 邪慳の刃 血汐の紅葉  竜田の川の瀬と変わる

男の裾にしがみつき

 

累   「アーこりゃ わたしをだまして」

与右衛門「おお  殺すのじゃ」

累   「ええ」

与右衛門「 仔細と云ふは  これを見よ」

 

鏡にうつせば

 

 

累    「アレー ヤヤヤヤヤ ・ ・ ・

      こ こりゃまあどうして此様に  私の顔の変わりしはぁ」

与右衛門「こりゃ累 因果の道理をよっく聞け

     汝がためには実の親 菊が夫の助を殺したその報ひ         廻りめぐりてその顔の 変り果てたも前世の約束         この与右衛門は親の仇  これも因果と さぁあきらめて」

 

 

成仏せよと無二無三  打ってかかれば身をかはし

のう情けなや うらめしや  身は煩悩のきづなにて 恋路に迷ひ親おやの

仇なる人と知らずして  恪気嫉妬のくどき言 我と我身に惚れ過ぎし

心の内のおもてなや  つらき心は先の世の  如何なる恨みか忌しと

口説いつ泣いつ 身をかきむしり 人の報ひのあるものか  無きものか

思ひ知れやと すっくと立ち 振乱したる黒髪は 此世からなる鬼女の有様

 

つかみかかれば与右衛門も  鎌取直して土橋の上

襟髪つかんで ひとえぐり 情容赦も夏の霜  消ゆる姿の八重撫子

これや累の名なるべし 後に伝えし物語り

恐ろしかりける ※(次第なり)

 

(※=今回の舞台では抜く箇所)

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

 

 

 

参考資料

清元全集 清元集 清元五十番

九月大歌舞伎in歌舞伎座

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こんにちは。くにえです。

 

毎日お暑うございます~。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?

 

 

さて、来月歌舞伎座に於いて「九月大歌舞伎」が開幕いたします。

 

 

2020.9_kabukiza_chirashi.jpg

(クリックすると大きく表示されます)

 

くにえは第二部「かさね」にひと月出演させていただきます。

初日1日、26日が千穐楽。7日と17日は休演日となります。

 

 

来月も精一杯勤めさせていただきます!

宜しくお願い致します!(^O^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

吉野山 歌詞&プチ解説

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こんにちは。くにえです。

 

今月歌舞伎座「八月花形歌舞伎」第三部「吉野山」の歌詞とプチ解説を書こうと思います。

國惠太夫blog「八月花形歌舞伎in歌舞伎座」もご参照ください(^O^)

 

 

 

解説

吉野山。本名題を「幾菊蝶初音道行(いつもきくちょうはつねのみちゆき)」といいます。

※別名を登場人物から「忠信」と表現されることもあります。

通し狂言「義経千本桜」の四段目。

元々は義太夫節「道行初音旅」を「富本節」に改作。そして「富本節」から明治41年に「清元節」に改調されて現在の曲になりました。

 

静御前は佐藤忠信(実は源九郎狐)をお供に連れて義経のいる吉野山に旅立ちます。その静御前が義経から貰った「初音の鼓」は、忠信に化けた源九郎狐の親の皮を使って作られていました。

「初音の鼓」を慕い、懐かしむ狐忠信。

鼓の音や周りに飛んでいる蝶と、つい戯れてしまい時折狐の本性が出てしまうというコミカルな部分も見どころです。

 

曲の前半は、静御前が道を急ぎながらも吉野山の美しい風景と想い人(義経)への気持ちを重ねる場面。

中盤は忠信の兄である佐藤嗣信が壇ノ浦で義経を守り、討ち死にしてしまった話を静御前に報告する場面。

後半は静御前を捕らえるべく追いかけてきた「早見の藤太」との戦闘場面。

 

と、笑いあり涙ありの大作です。

  

 

初演

文化5年(1808)5月。江戸中村座。(富本節として)

忠信・三代目中村歌右衛門

静御前・四代目瀬川菊之丞

 

作詞者

三世 瀬川如皐(清元に改訂・竹柴金作)

作曲

富本・鳥羽屋里長(清元に改曲・清元梅吉)

 

 

 

今月の舞台で上演される個所の歌詞を掲載いたします。

歌詞を読まれると場面の雰囲気や意味が分かり、一層舞台を楽しくご覧いただけると思います!

 

 

  

歌詞

 

恋と忠義はいずれが重い 掛けて思いは計りなや

静かに忍ぶ旅立ちや

馴れぬ茂みのまがい道 弓手(ゆんで)も馬手(めて)も若草を

分けつつ行けば あさる雉子(きぎす)のぱっとたっては。

ほろろ けんけん ほろろうつ

なれは子ゆえに身を焦がす 我は恋路に迷う身の

ああ羨まし 妬ましや

 

谷の鶯 初音のつづみ はつねの鼓

調あやなす音に連れて つれて真似草 音に連れて

遅ればせなる忠信が 吾妻からげの旅姿

 

背に風呂敷 しかと背負たらおうて 野道あぜ道ゆらりゆらり

軽いとりなりいそいそと 目立たぬように道隔て

 

静 「おぉ忠信殿 待ちかねましたわいな」

忠信「これはこれは静様 女中の足と侮って思わぬ遅参 まっぴら御免くださりましょう」

静 「ここは名に負う吉野山 四方の梢もいろいろに」

忠信「春立つと 云うばかりにや三吉野の」

静 「山も霞みて」

忠信「今朝は」

両人「見ゆらん」

 

見渡せば 四方の梢もほころびて 梅が枝唄う歌姫の

里の男子が声々に 我が夫が天井ぬけて据える膳

昼の枕はつがもなや 天井ぬけて据える膳

昼の枕はつがもなや 可笑し烏の一節に

 

徳若にご万歳とは 君も栄えてましんます

愛嬌ありける柳ごし よい中村のやぐら幕

櫓太鼓のにぎにぎと 商い神の若えびす

繁盛まします その御徳に 御田の稲には穂に穂を栄え

宝御船萬石舟 色の実入りに今年綿

誠に目出度う さむらいける 

やしょめやしょめ 京の町のやしょめ

売ったるものは何々 はまぐり はまぐり

蛤 はまぐり はまぐり

はまぐり見さいなと売ったるものは何々

はまぐり早き貝合わせ

 

弥生は雛の妹背中 女雛男雛と並べておいて

眺めに飽かぬ三日月の 宵に寝よとは きぬぎぬに

急かれまいぞと恋の欲 桜は酒が過ぎたやら

桃にひぞりて後ろ向き 羨ましうは ないかいな

 

忠信「せめては憂さを 幸い 幸い」

 

姓名添えて賜わりし 御着せ長を取り出だし

君と敬い奉る しずかは鼓を御顔と よそえて上に置きの石

 

人こそ知らね西国へ 御下向の御海上 波風荒く御船を

住吉浦に吹き上げられ それより吉野にまします由

やがてぞ参り候らはんと 互いに形見を取り納め

実にこの鎧を賜わっしも 兄嗣信が忠勤なり

 

静「なに嗣信が 忠勤とや」

 

誠にそれよ 来し方を 思いぞ出る壇ノ浦の

 

忠信「海に兵船 平家の赤旗 陸(くが)に白旗」

 

源氏の強者 あら物々しやと夕日影 長刀引きそばめ

何某は平家の侍 悪七兵衛景清と名乗りかけ

薙ぎ立て薙ぎ立て 薙ぎ立つれば

花に嵐のちりちりぱっと 木の葉武者

言い甲斐なしとや方々よ 三保谷の四郎これにありと

渚にちょうと打ってかかる 刀を払ろう長刀の えなれぬ振る舞い いづれとも

勝り劣りは波の音 打ち合う太刀の鍔元(つばもと)より 折れて引く潮 帰る雁

勝負の花と見すつるかと 長刀小脇にかい込んで 兜の錣(しころ)を引っ掴み

後へ引く足 たじたじたじ 向こうへ行く足 よろよろよろ

むんずと錣をひっ切って 双方尻江に どっかと座す

腕の強さと言いければ 首の骨こそ強けれと

ムフフフフフ ダハハハハハ

笑いし後は入り乱れ 手しげき働き兄嗣信

君の御馬の矢面に 駒を駆け据え立ち塞がる

 

静 「おぉ聞き及ぶその時に 平家の方にも 名高き強弓」

 

能登守

 

静 「教経と」

 

名乗りも和えず よっ引いて 放つ矢先は恨めしや

兄嗣信が胸板に たまりもあえず真っ逆さま 敢え無き最後は武士の

忠臣義士の名を残す 思い出ずるも涙にて 袖は乾かぬ筒井筒

 

掛かるところへ早見の藤太 家来引き連れ立ち至る

 

※早見の藤太・家来 セリフ (舞台でお楽しみに!)※

 

禰宜が鼓に鈴振る手元 ちょっと鳥居を ありゃありゃしてこい

飛び越え狐 愛嬌も 宇賀の御霊は玉姫稲荷

妻恋 染めて嫁入りして そこらでしめたぞ天日照り

堅い契りのお岩様 四ツ谷でお顔を三巡りに

好いたらしいと思うたる 縁に引かれて車咲き

ちょっとおさえた強力の 袖すり抜けてどっこいな

えぇもうしつこい そこいらで

翁稲荷か とうとうたらり 喜びありや烏森

 

いつか御身も伸びやかに 春の柳生の いと長く

枝を連ぬる御契り などかは朽ちしかるべきと

互いに諫め いさめられ 急ぐとすれど はかどらぬ 芦原峠 鴻の里

雲と見紛う三吉野の 麓の里にぞ ※(着きにける)

 

赤字 竹本連中)

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

 

 

 

 

 

 

 

 

参考資料

清元全集 清元集 清元五十番

歌舞伎座 初日を勤めさせていただきました

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こんにちは。くにえです。

 

本日、歌舞伎座「八月花形歌舞伎」初日を迎えました。 

 

お客様は通常に比べ半分以下の約900人。

桟敷席、席の間隔を空けてのお席です。

 

しかしお客様半分とは思えないほどの大きな大きな拍手。

定式幕は下手から上手へ開いてゆくにつれ、強烈な感動で身体が震えました。

 

あー。ようやく始まるんだなぁ。と緊張感ではない何とも言えない温かい気持ちになりました。

 

心から舞台の再開を嬉しく思っております。

 

2020.8_kabukiza_syonichi.jpg

開幕直前に撮影してもらいました。

2020.8_kabukiza_syonichi_kunie.jpg

地方は飛沫感染を少しでも軽減するために特殊なマスクを使用しております。

※写真提供 清元瓢太夫氏  撮影 清元美一郎氏

 

 

 

本日は満員御礼の多くのお客様。厚く御礼申し上げます。

今日から26日千穐楽まで精一杯勤めさせていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

八月花形歌舞伎in歌舞伎座

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こんにちは。くにえです。

 

既に報道もされておりますが、いよいよ数か月ぶりに歌舞伎座が開場いたします!

 

 

2020.08_kabukiza.chirashi1.jpg

(クリックすると大きく表示されます)

 

くにえは2月以来の歌舞伎座出演となります。

第三部、吉野山に初日より千穐楽まで全日程出演させていただく予定です。

(7日、17日は休演日です)

 

コロナの影響により、我々はできる限りの対策をとって舞台に臨みます。

松竹株式会社HPからも閲覧できます。 

2020.08_kabukiza.chirashi2.jpg

(クリックすると大きく表示されます)

 

大きなものとして

一日四部構成。一回ごとに換気をするためお客様の入れ替え。

客席の減数。

アルコール消毒の徹底。

大向こうの禁止。

出待ちや関係者以外の楽屋入室の禁止。

その他細かくは上の写真をお読みください。

 

 

 

そして我々出演者にも感染対策のガイドライン概要配布や抗体検査も実施されました。

 

演奏家などは全員マスク着用での演奏になります。

マスクも専門家の方々のアドバイスの元に作成されたものを使用する予定です。

 

楽屋内でも換気、消毒、楽屋入り時間など細かなルールが決められております。

 

 

とにもかくにも舞台を再開できることは喜びです。

 

くにえも細心の注意を払って臨みたいと思いますm(_ _)m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

約3か月ぶりの演奏(笑) 7月8日NHK FMラジオ「鳥羽絵・雁金」

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こんにちは。くにえです。

 

大変ご無沙汰いたしておりますm(_ _)m

 

今回のコロナ騒動により、舞台公演、収録等はすべて自粛となっております。

特に舞台での公演は依然再開の目途が立たない状況です(;'∀')

 

皆様も「キチンと理解した上での心配」でこの状況を乗り切りましょう!(*^▽^*)

 

 

さて、昨日NHKのFMラジオの収録に行って参りました!

 

 

2020.6.24_NHK_FM.jpg

 

このご時世ですからスタジオに入る前に自宅で検温、NHKでの入り口で手の消毒、サーモグラフィー?での体温測定などを行いました。

また、収録時には大きなスタジオでそれぞれ演者のかんかくを2メートル空けて座り、三味線の方々はマスクを着用。

 

スタッフの方々の細心の注意を払っていただきました。

写真右下に写っています(見えずらいかも)ビニールの間仕切りも用意してくださいました。

 

 

NHK FMラジオ 邦楽のひととき

「鳥羽絵・雁金(抜粋)」

浄瑠璃

清元 清榮太夫  清元 清美太夫  清元 國惠太夫

三味線

清元 美三郎  清元 美十郎  清元 美一郎(上)

放送日

2020.7.8(水)11:20~11:50

2020.7.9(木)5:20~5:50(再放送)

 

  

 

 

皆様!いついつまでも おまめで (^○^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

二月大歌舞伎 歌舞伎座

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こんにちは。くにえです。

 

来月歌舞伎座に於いて「二月大歌舞伎」が2日~26日に催されます。

 

2020.2_kabukiza.jpg

(クリックすると大きく表示されます)

 

夜の部の最後に「道行故郷の初雪(梅川忠兵衛)」が掛かります。

 

くにえも20日~26日に出演させていただく予定です。

 

 

 

宜しくお願い致します!

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫

2020.2.1 NHK FMラジオ放送

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こんにちは。くにえです。

 

本日もNHKでFMラジオの収録をして参りました!

 

 

 

2020.1.22_NHK.jpg

 

 

 

NHK FMラジオ「邦楽百番」

 

「明烏」「青海波(抜粋)」

 

浄瑠璃

清元 美寿太夫  清元 清榮太夫  清元 國惠太夫

三味線

清元 美治郎  清元 栄吉  清元 美三郎

 

 

放送日

2020.2.1 (土)  11:00~11:50

2020.2.2 (日)   5:00~5:50(再放送)

 

 

 

放送日時は逆転していますが、

2月12日NHKFMラジオ放送の「邦楽のひととき」と共によろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清元 國惠太夫