歌舞伎興行の「冠」

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

こんにちは。くにえです。

 

今日も相変わらず寒いですね。雪もチラついていたりします。

 

雪が降ると趣があって大変よいのですが、
体感温度よりも寒く感じるのが難点ですね。ブルブル。

 

今夜あたりも降るんじゃないですかね~(汗)


 

今日は歌舞伎興行の冠について少しお話したいと思います。

よく「〇月〇〇大歌舞伎」なんて見かけたりすることがあると思います。
      ↑

この〇〇のことを「冠(かんむり)」といい、これによって内容を少し分別することができるのです。

 

例えば「花形歌舞伎」といえば、人気や注目されている役者、一座の代表者「花形役者」が出演します。

 

役者が名跡を継ぎ、お披露目する場合は「襲名興行(歌舞伎)」と言って、演目のほかに役者が観客の前で口上を述べる機会があります。

 

他にも、

 

◆「吉例顔見世興行(歌舞伎)」
吉例(きちれい)とはめでたいしきたりの事で、かつては各座の役者が混ざって、新たな顔ぶれで芝居を催すこと。現在は11月の歌舞伎座と12月の京都南座にて吉例として催されている。

◆「追善興行(歌舞伎)」
今は亡き名俳優の回忌に催す。

◆「通し狂言興行(歌舞伎)」
義経千本桜、忠臣蔵など、昼夜合わせて一つの内容を場面を変えて物語る。

 

などがあります。

 

 

さらに、時節を冠するものもあります。

 

◆「新春大歌舞伎」
新春、正月に催す歌舞伎。

◆「納涼大歌舞伎」
古くから夏の暑い時期に催す歌舞伎。四谷怪談などの怪奇ものの演目が多い。

 

特殊なものとして、現在歌舞伎座は「さよなら公演(御名残興行)」と、今年の4月いっぱいで一先ず幕を下ろす歌舞伎座のことを冠にしています。

 

何にせよ、お客様の興味を引くものを冠にして興行を打つんですね。
今で言うところのキャッチコピーのようなものです(笑)

 

歌舞伎をチェックしたときは、是非冠にも注目してみてください。


 

清元 國惠太夫