玉屋 プチ解説&歌詞

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こんにちは。くにえです。

 

今回は清元「玉屋」のプチ解説と歌詞をお送りいたします。

 

 

この記事は5~6分ででお読みいただけます。

 

 

 

玉屋(たまや)

 

 

解 説

 

作詞 二代目瀬川如皐  作曲 初代清元斎兵衛(清元栄治郎説有り)

 

初演 天保3年(1832年)7月。江戸中村座

 

本名題を「おどけ俄煮珠取(おどけにわかしやしゃぼんのたまとり)」、通称を「玉屋」と言います。

 

元々は二代目中村芝翫が四変化で踊ったものの一幕として上演されていました。また四幕ともすべて「玉」に関連する題材を扱っていました。

 

  恵比須         長唄

  竜王          長唄

  珠取海女        長唄

  しゃぼん玉売り(玉屋) 清元

 

 

主人公は当時の人々には貴重で珍しい「シャボン玉」を吹いて見せるという大道芸人です。

 

冒頭の歌詞

「さぁさ 寄ったり 見たり 吹いたり 評判の 玉屋」と、子供や近所の人を集めるための売り声。

この売り声には「4ったり 3たり 2いたり 1ょうばん」と洒落て数字が隠されています。

 

当時にカウントダウンという概念があったかは謎ですが、お客を集めてシャボン玉を吹く景気付けにはなっていたのかもしれません(笑)

 

現在では思いもつかない職業ですが、「玉」に関連するものを歌詞に多く盛り込んでいて、当時の江戸庶民の文化や風俗を紐解くきっかけになっているという学者さんも居るくらいに江戸の空気を感じれるのではと思います(≧▽≦)

 

 

 

 

 

歌 詞

 

さぁさ寄ったり見たり 吹いたり評判の玉屋玉屋

商う品は八百八町 毎日ひにちお手遊び 子供衆寄せて辻々で

お目に掛値のない代物を お求めなされと辿り来る

 

玉屋「さあさあ評判評判 お子さま方のお慰み

   何でもかでも吹き分けてご覧に入れましょう

   先ず玉の始まりは」

 

今度仕出しじゃなけれども お子様方のおなぐさみ

ご存じ知られた玉薬

鉄砲玉とはこと変わり 当たって怪我のないお土産で

曲は様々 大玉小玉吹き分けは その日その日の風次第

まず玉尽くしで言おうなら たまたま来れば人の客

などとじらせば口真似の こだまもいつか呼子鳥

たつきも知らぬ肝玉も しまる時にはそろばん玉の

堅いおやじに輪をかけて 若いうちから数珠の玉

オットとまった性根玉 しゃんとそこらでとまらんせ

とまるついでにわざくれの 蝶々とまれをやってくりょ

 

蝶々とまれや菜の葉にとまれ 菜の葉いやなら葭の先へとまれ

それとまった 葭がいやなら木にとまれ

 

つい染み易き廓の水 もし花魁へおいらんと

言ったばかりで後先は

恋の暗闇辻行燈の 陰で一夜は立ち明かし 格子のもとへも幾度か

遊ばれるのは初めから 心で承知しながらも

もしやと思うこけ未練

昼の稼ぎも上の空 鼻の先なる頬かむり

 

吹けば飛ぶよな玉屋でも お屋敷さんのお窓下

犬にけつまずいて オヤ馬鹿らしい

 

口説きついでにおどけ節 伊豆と相模はいよ国向かい

橋を架きょやれ船橋を 橋の上なる六十六部が落っこった

笈は流 るる錫杖は沈む 中の仏がかめ泳ぎ 坊さん忍ぶは闇がよい

月夜にはあたまがぶらり しゃらりと

のばさ頭がぶらりしゃらりと こちゃ構やせぬ

衣の袖の綻びも構やせぬ しどもなや

 

折も賑う祭礼の 花車の木遣りも風につれ

オーエンヤリョー

いとも畏き御代に住む 江戸の恵みぞありがたき

 

 

参考資料
清元全集 清元集 清元五十番

 

 

 

 

 

 

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清元 國惠太夫