北州千歳壽(北州) プチ解説&歌詞

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こんにちは。くにえです。

今回は清元「北州」の曲紹介をしたいも思います^_^
 

この記事は5~6分で読んでいただけると思います。

 
 

北州(ほくしゅう)

 
 
 
 

解 説

 


 

1818年(文化15年)春に素浄瑠璃として開曲されました。
作詞者の太田蜀山人は洒落者と伝わり本名題を「北州千歳壽(ほくしゅうせんざいのことぶき)」と付けています。
 
作詞者は上記の太田蜀山人(南畝なんぽ)、作曲者は元吉原の芸妓でのちに料亭「川口」経営者のお直。
蜀山人は遊女の部屋で歌詞を書き上げたと言われています。
 
この曲は蜀山人が70歳の祝いと、若くして亡くなった遊女「玉菊」の追悼を込めて作られたものと伝わっています。
 
 
北州とは江戸の北に位置する「吉原遊郭」のことを指します。


三味線は平家掛かりより「およそ千年の鶴は〜」と謡曲(能)の「翁」から出ていて重々しく始まります。

「万歳楽とうとうたり」は「万歳楽と謡うたり」と「万歳楽とうとうたり(とうとうたらり)」の2つの意味が隠れています。

そして「霞のころも〜」からガラリと曲調が変わり吉原の四季を織り込んだ華やかなものになります。


歌詞にも吉原に関連する場所や行事が出てくるという清元ならではの演出になっております。
 
 
 
 
 
 

歌 詞

 
 
およそ千年の鶴は 万歳楽とうとうたり 又
万代の池の 亀の甲は 三曲 にまがりて
曲輪をあらわさず 新玉の
 
霞の衣えもん坂 衣紋つくろう初買の
袂ゆたかに大門の 花の江戸町 京町や
背中合せの松かざり 松の位を見返りの
柳桜の仲の町 いつしか花もちりてつとんと
見世清掻きの風薫る 簾かかげてほととぎす
鳴くや皐月の菖蒲草 あやめもわかぬ一単物
いよし御見の文月の なき玉章の灯篭に
星の痴話言 ささめ言
 
銀河と聞けば白々と 白帷子の袖にそよそよ
はや八朔の白無垢の 雪白妙に降りあがり
なじみ重ねて 二度の月見に逢いとて見とて
合せ鏡の姿見に 露うちかけの菊重ね
きくのませたる禿菊 いつか引込み突出しの
約束かたき神無月に 誰が誠より本立の
山鳥の尾の酉の市 妹がり行けば千鳥足
日本堤を土手馬の 千里も一里通い来る
浅草市の戻りには 吉原女郎衆が手鞠つく
 
ちょと百ついた浅草寺 筑波の山のこのも彼面
葉山茂山おしげりの しげきみかげに栄えゆく
四季折々の風景は 実に仙境 かくやらん
隅田の流れ清元の 寿延ぶる太夫どの
君は千代ませ 千代ませと 悦びを祝ふ 天ぴつ和合神
日々に太平の足をすすむる 葦原の国安国と舞ひ納む
 
 
 
 
 

参考資料

清元全集 清元集 清元五十番

 
 
 
「北州」の演奏動画はこちらから「清元pockets」
         ↓↓
youtube_kiyomotopockets_hokusyuu.jpg
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清元 國惠太夫